私たちは両目で同じ風景を見ていますが、左右の目で角度の違った風景を見ています。
★図Aをみてください。
顔の前20センチあたりに人差し指を立てて、目の前にある何か目安になる物に合わせます。
目標物に合わせたら左右の目を交互に閉じてみてください。人差し指の位置がズレて見えていますね。これが視差といって、立体感を生む元になっています。(目で捉えた視差をどうして立体と感じるかは脳の中の情報処理の問題になりますが、まだ詳しくは分かっていないそうです)
では、3Dステレオグラムは風景と違って平面なのにどうして、立体になってみえるのでしょうか。
★図Bをみてください。
1列、2列、3列と点と点の間隔が違っていますが、この間隔の違いが図Aで説明した視差になって高さの変化になって見えます。
試しに3Dステレオグラムをみるときのように点と点を平行法で立体視してみてください。1列が一番高く、2列は中間、3列は一番低くなって見えますね。つまり、1列よりも2列が低く、それよりも3列はもっと低い。というように、変化を感じて立体として見える訳なのです。
試しに2列と3列を隠して1列だけにして、立体視してみてください。比較するものがないので浮き上がっているように感じませんね。
B図の下の図は、背景を模様に変えて1列、2列、3列の点を目立たなくしたものです。
このようにしておくと、ただの模様の中から浮き上がってきたように見える訳です。これが3Dステレオグラムが複雑な模様になっている種明かしになります。