シンメトリーなものには安定感があってか、気持ちが落ち着くのか、心惹かれるものがあります。人が作り出した建築様式や西欧庭園の左右対称も美しいと思うことがあります。
もう一つは、逆さ富士にように上下対象の自然が作り出す映り込みのシンメトリーもあります。
★リフレクション(映り込み)の種類
リフレクション(映り込み)には、海や湖に映り込む壮大な風景のリフレクションから、小さな池のフリレクション、たまたま出来た水たまりに映る風景など、たくさんの種類を見つけることが出来ます。
有名な「一生に一度は見てみたい絶景」の一つ、南米ボリビアのウユニ塩湖まで行かなくても、日本にもウユニ塩湖で撮ったような写真になる、香川県三豊市の『天空の鏡』があります。私の住む多摩市にだって小さな池のリフレクションが撮れる公園があります。もっと身近なところで言えば、家の近くのアスファルトの窪みに溜まった水たまりにもリフレクションがあります。遠くに行かなくても水たまりはどこにでもできます。雨上がりを狙って一周りしてくるのもいいかもしれません。
★リフレクションを撮る条件
リフレクションを撮るには、ある程度の撮影条件が必要になってきます。何よりも水面が鏡のように静かでなくてはなりません。風があると水面が波立って反射しませせん。同じく雨が降っていてもダメです。空や雲の状態も大事な要素の一つになります。
私の撮り方は、リフレクションをわざわざ撮りにゆくことはなくて、他の写真を撮る「ついで」がほとんどです。東京駅周辺ならば、今日は雲がいい、夕焼けが出そうだ、風もない、よし!お堀まで行ってみよう!、という感じです。
カメラは手持ちで三脚なしです。NDフィルターでの長秒露光もなしです。
ただ一つ、CPLフィルター(偏光フィルター)を付けて反射を少しでも多くなるようにしています。
最近では、RAW現像アプリのAdobe Lightroomで画像の調整ができてしまい、フィルターは無駄のような気もしますが、CPLフィルターは常時プロテクトフイルターのように付けっぱなしで使っています。ただし寿命があるようです。一年ごとに劣化のチェックはするようにしましょう。
★CPLフィルターの劣化チェックの方法
白い紙の上にCPLフィルターを置いて、グレー色ならばOKで、少しでも黄色の色味を感じるようだと、そろそろ取り替えの時期です。
説明書によれば、CPLフィルターの偏光膜は特に熱と紫外線に弱いと書かれています、使わないときはレンズキャップをこまめにするようにしています。
★多摩センター駅パルテノン多摩の上にある多摩中央公園池のリフレクション
池にいるカルガモを撮るつもりでした。思いがけずリフレクションにふさわしい雲が出現してポイントになりました。
★浜離宮恩賜庭園から築地大橋方向のリフレクション
紅葉を撮りに行ったついでに撮りました。どうみてもついでの写真ですが、思ってた以上にリフレクションが撮れていました。左奥は築地大橋です。
★曇天の雨上がりの北の丸公園のリフレクション
秋もクライマックス。雨上がりの木々はCPLフィルターの効果もあり、透明クリアーをガン吹きしたようにしっとりしていました。
★新宿御苑、中の池のリフレクション
風があってなかなか池の水が鏡面になりません。何度も行ったり来たり、粘りに粘ってやっと撮れました。
★新宿御苑、下の池の擬木橋からの春のサクラのリフレクション
毎年、擬木橋から見るリフレクションを撮りに行っています。やっとこの日は春の風もなく満開の桜を撮れました。
★日比谷交差点付近からお堀のリフレクション
ずっと朝から雨模様の一日でした。しばらく街を歩き撮影、雨がやんだところでチャンスが来ました。正面大手町方向を撮りました。
★秋の薄暮、二重橋駅付近より、日比谷方向のお堀のリフレクション
お堀には波立ちがあり、なかなか収まりません。橋の欄干にカメラを置いてぶれないようにして、ややスローシャッターで撮りました。
★神代植物公園内にある池のリフレクション
神大寺植物公園にある神代曙(ジンダイアケボノの原木)を撮りに行った時の写真です。
池の裏側に回り満開のサクラと欅の箒のような枯れ枝のコントラストがリフレクションに花を添えてくれました。