露出補正はカメラが適正と判断した露出をユーザが足したり引いたり出来る機能です。仮に絞り優先オートで適正露出であったとしても、もう少しアンダー(暗く)にしたい、ハイキー(明るく)にしたいなどの欲求があります。私にとって露出補正と絞り値のダイヤル変更はカメラ操作で一番多く使う調整項目です。(ちなみに露出設定ステップは1目盛り0.3にしています)
露出補正を意図的に使う
カメラは光を量を取り入れるために、絞りとシャッタースピードでコントロールする単純なものですが、この組み合わせが写真の機微を作り出すのも事実です。
この写真は絞り優先で、露出補正は-2、F値は思いっきり20まで絞り込み、回折を起こすように撮りました。撮影時間は午前10時50分頃です。現実の目で見ている世界を離れて「AR」拡張現実と言っても言い過ぎない幻想風景になりました。
↓↓この写真も絞り優先で、F値5.6、露出補正を-2で撮りました。↓↓
露出補正で明るさをコントロールする
露出補正を意図的に使う以外にも、例えば、スキー場で雪景色を撮った時、雪が白くならずグレーになってしまったことありませんか。
特性としてカメラは、白い背景のシーンでは暗く撮ろうとします、逆に黒い背景のシーンでは明るく撮ろうとします。試しに真っ白な紙と、真っ黒な紙を撮ってみてください、どちらも明度は違ってもグレーになって撮れるはずです。カメラはこのように作られているわけで、その時々で露出補正が必要になってきます。
次にお見せする写真は、ランタン祭りの写真で狙いとしては手前にある垣根越しにランタンの灯を玉ボケで入るイメージです。
このシチュエーションならばマニュアルで撮るのですが、この日は時間もなく暗がりでよく見えないなど条件が悪かったので、F値5.6の絞り優先オートで撮る設定で撮り出しました。
普通に手前の垣根の葉に合わせシャッターを切ると、AE(自動露出)をとる位置が暗かったのと、先ほど説明したカメラの特性(暗いところは明るく撮ろうとする)でランタンの背景全体が白く明るくなってしまいました。
背景のランタンにAE(自動露出)をとればいいのですが、ピントも合ってしまい、意とする写真でなくなります。手前の垣根の葉にピントを合わせ、シルエット越しに背景はボカシたいので、設定は変えずに露出補正を思いっきり-2.6まで落として撮ったのが今回紹介する写真になります。露出補正を-2.6はかなり強引な撮り方だとは思いましたが、結果オーライでした。
では、1枚目は100ミリ
Canon-EOS-1D-Mark4
絞り優先
絞り=F値5.6
シャッタースピード=1/100
ISO=1600
露出補正値=-2.6
レンズ=EF70-200ミリf/2.8L IS USM_100ミリ
2枚目は80ミリ
Canon-EOS-1D-Mark4
絞り優先
絞り=F値5.6
シャッタースピード=1/80
ISO=1600
露出補正値=-2.6
レンズ=EF70-200ミリf/2.8L IS USM_80ミリ
3枚目は150ミリ
Canon-EOS-1D-Mark4
絞り優先
絞り=F値5.6
シャッタースピード=1/30
ISO=1600
露出補正値=-2.6
レンズ=EF70-200ミリf/2.8L IS USM_150ミリ
写真を撮るのは単純だけど、思い描く写真にするにはそれなりに労力がかかります。ピントの位置、絞りの値で大きくイメージが変わってきます。失敗しないためにカメラまかせも分かりますが、さらに一歩進めて、露出補正を変えることを覚えると表現の幅がぐっと広がりますね。